「ん?」 思わず引き止めてしまった自分に驚いた 戸惑いで先生の目が見れなくて。 「今度、話したいんです…けど」 「ははっ いいに決まってんだろ! じゃあ気をつけて帰れよー!」 そんな私の動揺も知らずに 満面の笑みで大きく手を振ってくれる先生。 私も思わず振りかえしてしまった。 心がなんだか暖かくなって 自然と私も笑っていた。 胸がいっぱいになって、しばらくそのまま立ち尽くして 先生が見えなくなっても、 廊下をずっと、 ずっと、見ていた。