先生は目を丸くするかと思ったけれど、


今日は違った。


深く深く息を吐くと、私の目をみるだけだった。



私の胸の鼓動は
耳を塞ぎたくなるくらいに
大きく音をたてる


「……」


「…先生、知ってた?」


「…なんだろうな~、まあ

嫌われてると思ったことはないな」



そのはぐらかし方が、なんだかとても歯痒くて


いっそ知らなかったと、いつもみたいに目を丸くして欲しかったよ。




「なにそれ」



「…ごめんな」



「やめてよ、謝らないで」



先生のそんな顔見たくないから


いつもみたいに笑ってよ


「藤原」


「あーもうやだやだ。
そんな辛気臭い顔、ほんっと見たくない。」


「藤原…」


自分でも声が震えていることがわかった。



でも、

ごめんな


その一言に全ての答えが詰まっているような気がして


急には受け止められないよ。



でも



「先生、じゃあこれだけ教えて」