次の日、 昨日のことが夢だったんじゃないかと思って 起きてすぐに手首を見た 大丈夫、ちゃんとある。 郁はもう独りじゃない。 だから、いつもどおり いつもどおり、 大丈夫、今までだって ちゃんとやってこれた 明るくて可愛い 西村 郁を演じればいい。 ピンク色のリストバンドをつけて、 隠すんじゃなくて この傷を守るためなんだと 言い聞かせた。