不器用な君と不機嫌な私


この部屋は

どこかおかしい。


直感的にそう思った。


異常なほどに白いのだ


そして

家具が

ないと言っても過言ではなかった


「かおりん?」


「あ、なあに?」


「さっき、パパとママが少し遠いとこに行ってるって言ったでしょー?」


「…うん」


「もうすぐ、郁も行こうかなーって思ってるの」


「えっ!?
じゃあ学校とか」


「あ、でも
まだわかんないし!
一応言っておこうと思って。

決めたらちゃんと言うから大丈夫だよーっ」


心臓が、


強く、早く、打つ。


どうしてこんなに、胸が騒ぐの。