「海波君は優しいのね」 「……そんな事ありませんよ……」 「あら、謙遜してるの?」 「いえ、事実ですから」 ‘訳ありなのね’と呟き、保健医はカーテンを閉めた。 「さぁ、一応授業中なのだから、貴方は教室に戻りなさい」 「はぁ……。じゃぁ、よろしくお願いします」 そう言って、俺は保健室を出た。