理科室から飛び出して、保健室に連れて来ると、保険医は不在だった。

だから、勝手に使わせてもらう事にした。

紺野をベッドに寝かせて約10分―――


「ん……」


紺野が目を覚ましたようだ。


「おい紺野、大丈夫か?」

「海波……君?私……頭痛っ!」

「まだ起き上がるな」

「何があったの?私、覚えてない……」

「理科室で煙と一緒に硫黄を吸って、意識を失ったんだよ」


そう言うと、紺野は思い出したように頷いた。