初恋の行方〜謎の転校生〜

「どうかしたか?」


私が柏木君をジーッと見ていたら、不信に思ったのか彼はそう言った。


「私、柏木君のこと……」


「何か飲むか?」


“好きなんです。悠人君よりも”と続けたかったけど、言わせてもらえなかった。もたもたしていた私も悪いのだけど。


「ううん、いらない」


「遠慮すんなって。何がいい? コーヒー? 紅茶?」


「じゃあ、ココア」


私は、寒い季節は暖かいココアやホットチョコレートが好きなので、図々しくも“ココア”と言ってしまった。


「あ、やっぱりコーヒーでいいです。紅茶でも」


「ん? ココアが好きなんだろ? 遠慮しなくていいよ。律子さんに頼むだけだし」


「ごめんなさい……」


柏木君は立ち上がると、壁に掛かったインターフォンの受話器を耳に当てた。