中学の裏庭は


あの頃よりも草がのびていて


ベンチの落書きも増えていた


「よっ!久しぶり。翔!」


そこには半年振りの笑顔


「久しぶり。けんた!」




その後和歌子が来て残るはさなのみ


「あいつ俺たちがいること知らないから、びっくりするんだろーなー」


そんなけんたのわくわくした声も耳から耳へ通り過ぎるほど


俺は緊張していた




草を踏む音が聞こえる


なぜか分からないけど


その足音がさなだってことはすぐに分かった



「はやく!!」


和歌子が急がす


そこには三ヶ月振りに見るさなの笑顔があった


三ヶ月前より少し髪が伸びて


前より明るくなった髪色


少し痩せたかな?


ちゃんと食ってんのか?


化粧ちょっと濃いじゃん。


スカートも短い!


どうでもいいことが頭に見え隠れする





でもさ


さなの顔を見た瞬間答えなんて出てたんだよ


俺が今何を求めているのか


そんなの簡単な答えだったんだ


考える必要なんて無い


だって答えは


すぐ目の前にあるんだから