この日の夜


俺は中学時代の友達の和歌子に久々に連絡をとった


「久しぶりー」


中学の頃と何ら変わりないハスキーな声


一瞬中学時代に戻ったみたいで切なくなった


「今日さ四人で会わない?」


そんな提案をすると案の定和歌子は乗り気で


すぐにけんたとさなに連絡をとってくれた


「じゃぁ今日中学の裏庭で。」




三ヶ月振りの再会はすぐそこに迫っている


俺がいることは知らせないように、と和歌子に念を押し


俺は中学の思い出の場所へと向かった






今日の再会で最後にできる自信なんてこれっぽっちもない


だから今日会って


それを確かめたかった


俺は今


何を求めているのか


何を欲しているのか


さなが許してくれる確信なんて全くないけれど


だけど


会いたかった


本当はあの日から


ずっとさなの顔が見たかったんだ


プライドだって


見栄だって


全部捨てても


俺は今


さなに会いたかったんだよ