「やだなぁ土方さん。面倒臭いけどそういう理
由じゃなくて、凜が離してくれないんですよ」
さらっと本音を言ったが、正論は正論だ。
土方は苛々を抑えて、渋々「分かった」と返事
をした。
「さて、っと」
土方の足音が遠ざかると、沖田は凜ごと起き
上がる。
そのまま凜を抱き抱えて自室へ向かった。
取り敢えず布団の上に下ろすが、凜が着物を
離す事はない。
参ったなぁ、なんて心の中で呟いてみてもど
うしようもない。
する事もなくて横に寝転がると部屋の窓が見
え、いつの間にか日が落ちている事に気づく。
布団の上、傍には愛しい人。
このまま抱いてしまいたいという考えが過ぎ
ったが、一人首を横に振る。
「何やってんだか……」
そう呟いた時、僅かに衣擦れの音が聞こえた。
はっと横を見ると、ぼんやりと瞬きを繰り返
す凜の姿。
「凜」


