誠ノ桜 -誠の下で-




沖田は土方の目を避けるようにして斎藤の背を押しながら出ていく山崎達を見ながら、凜の背中をとんとんと叩いた。


「気絶してますね」

「笑顔で言うな」


恐怖から気絶したらしい凜は、しっかりと沖
田の着物を掴んでいる。

土方は組んでいた腕を解いて頭を掻き、どう
したものかと考えているようだ。


「ねぇ土方さん。この子、泊めたらどうです?」

「はぁ?」


いきなりの発言に、思わず引き攣った。

仮にも松平のお気に入り、余程の事がない限
り恐れ多い。


「まだ起きそうにないし、起きても帰りたくな
いんじゃないかなぁ」


ね?と人の気も知らず微笑む沖田は、相変わら
ず凜の下敷き。

いや、少し体を起こしてはいるが……。


「松平公に書状を書いとけ」

「書けません」


即答した沖田に、土方は青筋を浮かべる。


「お前が言い出しっぺだろうが!!」