誠ノ桜 -誠の下で-




「あぁあぁああ……」


沖田は肘で体を少し起こしながら、完全に怯えている凜の頭を撫でる。


「俺ぁ怪談話をしてただけだぜ?」

「仕事ほっぽってか」

「へ」


目が点な永倉に溜め息を吐き、土方は藤堂を見た。


「平助と稽古指導だ」

「ぁあーっ、忘れてた!!」


藤堂は言われるなり頭を抱え、即座に立ち上がって永倉を連れ立っていった。


「で……」

「いや、俺は何も仕事ない筈やで!?」

「お、俺は夜の巡察担当ですが……」

「俺も」


土方が目を向けるなり慌てて言う三人。

まぁいいかと呟くと、土方はいちゃついてい
るように見える二人を見た。


「………俺、仕事終わってますよ」

「んな事ぁ分かってる。そいつは」


先程から全く動かない凜を不審に思い、土方
が腕を組んで答えを急かした。

と言うか、そろそろ犯人が土方であるという
事に気づいて我に返る筈なのだが。