「...そろそろいいかな。お二人さん」
こほん、と重々しい咳がなる。
瞬間的に体が凍りつき、抱きしめようと伸ばした手が固まる。
「お、っとうさん!」
パッと離れ、お互いに何もなかったかのように振る舞う。
「人が黙ってれば好き勝手しやがって...」
しっしっと手を振り払う仕草をしながら、俺と小春の間に割って入る。
いたなら一声かければいいものを...!
好きな相手の父親だろうが、情けないところを見られるのは悔しい。
つーか恥ずかしいわ!!
「まあ? これからは親子水入らずのアメリカ生活だからなあ〜」
「もうっ、お父さん話してよっ」
どこから引っ張り出してきたのか、えらい自信を引っさげて小春を抱き寄せる親父さん。
軽い挑発にまた胸が痛む。

