朝、フェンは王城の中庭にいた。
たとえどこであろうと師匠と行っていた棍の訓練を怠る気はなかったからだ。
回し、時に突き、空気を裂く。
フェンがぐるり、と体を回転させながら後ろに棍を振り下ろすと、誰かがそれを受けた。
赤毛の少年だ。
瞳は透明感のある空色だった。
少年は二振りの剣を自在に操り、フェンを攻めた。
フェンは突然のことに戸惑いつつもそれに応じる。
しかし、フェンの戸惑いはいつしか驚きへと変わっていった。