半ば予想していた用件にティターニアは心が重くなるのを感じた。
「そこで、お前に12騎士をつけることになる。そして、お前を失くすわけにはいかない以上、身分を偽り、名前すら偽って、ここから離れてもらうことになる」
しかし、その言葉はティターニアの予想もしないものだった。
「ウィスタリア城を、出ると……!?」
「忘れたか?エドはウィスタリア城で殺されたのだ。この、セント・リーディアスの敵を入れないはずの結界をかいくぐり、あげく城の中で堂々と身を隠した相手にな。そうなれば、お前も安全ではない」
「でも、私がいなくなったらこの城は……いいえ、お父様はどうなるのですか?お母様は?」
「次に狙われるのは、お前だ。もう子を産めない私を殺す価値はない。しかし、お前は違う」
父王が長病を患っていることは、公然としたことだった。