「し、師匠!」
フェンは思わず怒鳴った。
「何がしたいんですか!人の少ない広いところならともかく、ここは宿屋ですよ?借りている立場で、もし何かを壊してしまったらどうするんですか!」
「なんだ、お前」
旅人はきょとんとしながら言った。
「その気遣いもできないほどの素人か?ちがうだろ?お前はもうプロだ。お前のような特異な奴は何に巻き込まれるかわからん。今のうちにどんなことでも対処できるすべを身に着けておくべきだからな」