「俺はこいつに嬢ちゃんを試してやってくれって言われてたんだ。ま、俺の気配に気づけるくらいなら文句なしに合格だろ」
「広場のときといい、どうもフェンはカンが鋭いらしいな」
「武器が棍ってのがもったいねぇな」
「やはりお前もそう思うか。こういう狭いところじゃやはりどうにも威力もスピードも落ちる」
旅人と男が仲良さげに話し始めて、ようやくフェンは自分がだまされていたことに気付いた。
そういえば、去年のレナイン森のときもそうだったではないか。
旅人の演技力は半端なものではない。
どんなに不自然なことを言っていてもだまされてるとは思えない。