「でも、精霊は人が嫌いだから総意を聞けないんですよね?」
たぶん、聞こうと思えば聞けるけど、と思いつつフェンは言った。
「いや、そこなんだ」
旅人はまじめな顔で言った。
「精霊は人が嫌いなのだから、それくらいしたほうが精霊の気を静めることにもならないか?いけにえと同じだ。罪人をいけにえに奉げて精霊の怒りを鎮めるんだ」
「屁理屈!」
ミカゲは即座に全否定した。
「でも、それは通るかもしれないわね。精霊との関係は悪化するばかりで、月光草の相場もどんどん上がっていく。議会は早急に精霊との関係を持ち直したいと思っているし。あんたの屁理屈に協力したげる」