君 距 離 〜キミキョリ〜




中学3年生のときの修学旅行で、咲子の気持ちを知った。

2日目の夜、咲子から拓真に告白をしたらしい。

拓真の返事は“イェス”。

拓真がそんな気持ちだったなんて、これっぽっちも思っていなかった。

むしろ、少しだけ、ワタシに気があるんじゃないかとまで思っていた。

今までずっと、当たり前のように一緒に過ごしてきて、拓真の優しさを感じることが、たくさんあった。

その度に、“もしかして…”って思っていた。

人は、誰もが自分中心に地球は動いているものだと思っている。

世間的に、そういう人は“自己中”と言うが、そんなこと当たり前だと思う。

だって、自分の人生なんだもの。

自分の人生で、自分が中心にいない人なんていない。

でも、拓真の気持ちは違った。

拓真の優しさが痛かった。