君 距 離 〜キミキョリ〜




うげ…。

1時間目、鬼ババの授業じゃん…。

後ろのドアから静かに入ったらバレないかな…。

そぉ〜っと、そぉ〜っと…。


「美島さんっ!!!」

「はいっ!!」

「あなた、また遅刻?」


バレたぁ…。


「すみませーん」

「全く…」


もう、慣れたけどね。


「加奈、おはよ!!」

「咲子ぉ、おはよ」

「また、寝坊?」

「う…ん」

「加奈は、よく寝るよね〜」


ワタシの隣の席のこの子は、ワタシの大親友の眞鍋咲子(さこ)。

小学4年生のときに、同じクラスになって、高校2年生現在まで、ずっと同じクラス。

ワタシにとって、かけがえの無い存在。

ワタシは小学生のとき、肺炎を患って、入院していた。

そんなとき、咲子は、毎日お見舞いに来てくれたんだ。

1人で入院していて、すごく不安だった。

でも、咲子がいてくれたから、乗り越えられたんだ。