アタシ達は顔を見合わせ目を開けると、 弾かれたように勢いよく立ち上がる。 パンッ―― 頭上で交わされた手のひらは、 小気味良い音を立てて、 楽しそうに鳴る。 ニィッ、と弛(ゆる)んだ 互いの口元に満足そうに頷き―― 「純ちゃんと!」 「リューだねっ」 テンポよく発せられた声は 駐車場へ響き、 その声とほぼ同時のタイミングで、 真っ赤なスポーツカーが 駐車場へ侵入した……。