瑠璃色の夢は泡沫に沈む

「………だいたい、お前みたいな子どもがこんなことをしている時点で、その責は為政者が背負うべきだ」


 言葉を重ねながら、ディアンは村をすべて回りきれてはいないが、ほぼ確信した。


「為政者がもっと民を気にかけていたのなら、お前みたいな人間がいるはずがないからな」


 ―――この土地を、これ以上彼の伯爵に任せてはいけない、と。


「―――ラフィン。俺は村人の話を聴きに回る。お前はこのまあ村の様子を見回れ」


「ですが―――…」


「一刻も早くこの辺りの一帯を王都の領地として吸収し、ギーシュをこの領地から退かせる。措置が早めに行ったほうが、これからの村の復興にかかる費用も浮く」


「………そうですね。承知しました」


 ラフィンが承諾の言葉を口にしたのを耳にすると、ディアンは呆然とこちらを見上げる少年に向き直った。


「―――頼みたいことがあるが、構わないか」


「………村を、救ってくれるのか?」


「………お前の返答次第では、救済措置も早めに片がつく」


 その返答に、少年が了承の意を込めて力強く頷いた。ふと笑み零して、ディアンが膝をつく。


「よし。なら、協力してもらおう。――――俺のことは、ディアンと呼べ」


「……ディアン、さま」


「呼び捨てでいい。堅苦しいのは好きじゃない。―――それで、俺はお前を何と呼べばいい」


 苦笑しながら、ディアンは少年にそう言葉を放つ。少年は俯いて、小さく
セディ、と名を告げた。