Happy Birthday




ワタシは浴衣を来て、待ち合わせ場所へ向かった。

本当なら、この辺から、お祭りの音が聴こえてくるんだろうな。

みんな、笑顔が輝いている。

ワクワクしているのが分かる。

その時、肩を叩かれた。


《こんばんは》


智明さんと龍之介さんだった。


《真菜は?》

「…ま…だ」

《そっか》

「…と…も…あ…き…さん…と…りゅ……の…すけ…さん…」


この先は、手話にしよう。


《友達なんですか?》

《そうだよ。
親友って言ってもいいんじゃないかな?》

《いいですね》

《萌香ちゃんだって、真菜と親友だろ?》

「…はい」

《敬語じゃなくていいよ。
それと、俺の事は“とも”でいいよ》

「…と…も」

《俺の事も“りゅう”でいいよ》

「…りゅ…う」

「オッケー!」


名前って凄い。

呼び捨てで呼んだだけで、距離が縮まった気がする。

ちゃんと仲間に入れた気がする。