ワタシは、両親が大好きだった。
1人っ子で生まれてきて、両親の全ての愛情を注ぎ込まれて育てられた。
その愛に応えようと必死になった。
聴力を失った時も、2人は悲しんで悲しんで、何度も何度も謝られた。
2人から謝られる理由なんて無いのに。
むしろ、謝らなくてはいけないのはワタシなのに。
毎日、毎日、毎日。
ごめんね、ごめんね、って。
ワタシがいなければ、2人に、また光が差すかもしれない。
そう考えたワタシは、自殺行為に出た。
テレビで見たように、手首を切ってみたり、階段から落ちてみたり、首を絞めてみたり。
でも、全て助かってしまった。
そして、傷痕を残す度に、2人の悲しみは倍増していった。
どうすれば、どうすれば2人は悲しまないの?
考えて、考えて、答えは出た。


