――その日が、僕とカヤにとって運命のはじまりだった。




いつもと変わらない平穏な朝。

しかし、太陽が空の真ん中に昇った頃から状況が一変した。




徐々に暗くなり始めた空。

朔の日でもあったその日、月が太陽を隠してしまうという不吉な事態が起きた。



巫女でもあるヒメミコ様によって守られてきた、平穏な僕たちの国。




“不吉なことが起こる前触れだ”




これまであり得なかった状況に、民は恐怖に慄いた。




そして、不吉な前触れは的中し、ヒメミコ様に死までをも招いてしまった。