左手だけで捕らえている蜂谷の細いからだ。 この体勢なら、蜂谷は全力で俺を振り切れるはずだ。 なのに、蜂谷はごくりと喉を鳴らしたまま身動きすらしない。 やりすぎか、俺。 いや、でも…… キスする気なんかない。 思いが通じ合っていない無理やりなキスなんて、俺だって望んじゃいない。 だけど、わずかに開いている蜂谷の唇が理性を狂わせる。 顔を少しだけ傾け、ゆっくりと蜂谷の顔に近づけたとき。 廊下のほうから、こちらに向かって歩いてくる足音が聞こえてきた。