「さっさと帰れ! つか、あたしに構うなって言ったでしょ? あんた日本語分かんないの!?」 「好きなんだからしょうがねぇじゃん」 イスから立ち上がり、蜂谷が投げつけた辞典を拾いに行く。 辞典の埃をはらうかのように、軽くポンポンと叩いて、蜂谷に差し出した。 「誰かを好きになるのは自由だろ?」 真っ直ぐに蜂谷を見据えて言う。 「……そりゃそうだけど」 口を尖らせながら一度は納得したような態度の蜂谷だったが、「でも」とすぐにそれを否定する。