「カヤ様……」
あたしとヒメミコ様のやり取りを間近で見ていたイヨは、今にも泣き出しそうな顔をしている。
「イヨ。おまえはどうする? カヤに仕えたいのであれば共に行くがよい。ただし、カヤとタスク同様、魂は消させてもらうぞ」
選択を迫られたイヨは躊躇することなく、真っ直ぐにヒメミコ様を見て言った。
「わたしは……“カヤ様”に仕えていました。しかし、カヤ様が記憶を失うのであれば、カヤ様はもう……わたしの主君ではございません」
「イヨ」と声をかけると、彼女の瞳から堰を切ったかのように涙がポロポロとあふれ出した。
「カヤ様……、民たちは最初からあなた様を恨んでなどいません。皆、カヤ様の幸せを願っております」


