けれど――……
2人きりになったというのに、俺と麻友のあいだにはずっと沈黙が続いている。
設置されたベンチに腰を下ろし、ただ、かすかな呼吸音を響かせながら、広場のずっと奥をぼんやりと眺めているだけだ。
「あ、そうだ」
この静寂と沈黙に邪魔されて、すっかり忘れるところだった。
バッグのなかを探り、さっき買ったブレスレットを麻友に渡す。
「え、なに?」
ラッピングさえもされていない、シンプルな小さい紙袋を渡されたものだから。
麻友はそれが、自分へのプレゼントだと予測さえもできなかったらしく、首を小さく傾げた。


