「そうだな。おまえの言うとおりだ。俺と麻友だけのものだったのに」
冗談ぽく恨み言を言ってみれば、律は、ふふ、と小さく笑いをこぼした。
律の口車に乗せられ、麻友とおそろいでブレスレットを買ったあと。
俺たちはようやく本来の目的の場所へと向かった。
「――懐かしいわね」
「あぁ」
遺跡前のバス停に到着した俺と律は、遺跡を横目に、さらに奥のほうにある広場へと進んだ。
ヒメミコ様と奴婢たちが眠る塚があった、あの場所へ。
「……麻友……」
広場の片隅に、覚えのある後ろ姿を見つけた。
「……行こう、タスク」
律もまたその後ろ姿を見つけ、俺に向かって力ない笑みを浮かべた。


