これまでは、自分に与えられた“最後”がいつになるのか分からなかったから、何も考えずに済んだ。
でも、今日で輪廻転生が終わると告げられれば、普段どおりの流れがたまらなく貴重なものに思えてならない。
麻友も、磯辺も、律も。
3人とも自分の行く末を予測できていた。
そのうえで、俺だけがこの世界に残るだろう、と口にした。
でも、だけど――
俺の行く末を知っているのはヒメミコ様だけだ。
「瑠衣!」
駅のトイレで私服に着替えた俺は、改札口で待つ律と落ち合った。
それから切符を買い、和泉市に向かう電車に乗る。
俺も律も、車中ずっと無言のままで、気を紛らわせるための会話をする余裕すらなかった。


