翌朝――
バッグに私服を詰め込んだ後、いつもどおり制服に身を包んで、母さんの作った朝ごはんを食べた。
「じゃ、行ってくる!」
慌しく家を出る父さんに、いつもどおり「いってらっしゃい」と言うと、父さんはニカッと笑って「おう!」と返してくる。
母さんは俺の弁当をハンカチに包み、「早くしないと遅刻するわよ」と、毎朝の決まり文句を口にする。
「――行ってきます」
そして俺もまた、普段と変わりない態度で家を出た。
今日の夜、俺はこの家にいるんだろうか。
この家で、父さんと母さんと一緒に晩ごはんを食べるんだろうか。
明日の昼休みは、慶太と一緒に屋上で過ごしているんだろうか。
学校とは逆の方向にある駅に向かいながら、そんなことを繰り返し考えた。


