……この嫌われっぷり。
蜂谷がこれまでの記憶を抱えたまま生まれ変わり続けたんじゃないか。
そう期待してみるものの。
そこに、俺の記憶が全く組み込まれていないのは明確だ。
「麻友、磯辺くん来てるよ?」
「あっ、本当だ」
磯辺が現れた瞬間から、それまで蜂谷の脳内にあった“ストーカー”の俺の存在は見事なまでに消去される。
「相変わらず仲のよろしいことで」
振り向いて欲しくて嫌味を言ってみても、蜂谷は耳を傾けることも文句を言い返すこともせず、磯辺のもとへと走って行った。
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