これまでずっと、俺が生きていた世界は、麻友のいた世界。
会うことがなかったとしても、麻友がいると信じて疑わなかった世界だ。
この先、麻友がいない世界で生きていくことなんて、とてもじゃないけど考えられない。
「――それはダメよ」
それまで俺にぴったりと寄り添っていた麻友がからだを引き離し、真剣なまなざしでこちらを見据えた。
「瑠衣はこの世界で、あたしの分まで生きて。それが瑠衣の役目」
「そんな役目、俺が“はい分かりました”って引き受けるとでも思ってるのか?」
「……瑠衣」
意地でも引かない俺を見て、麻友は半ば呆れたように溜息をついた。


