“逃げよう”だなんて――……
なんてバカなことを口走ったんだろう、と、言ったあとになって笑えてきた。
逃げるって……、誰から逃げるつもりでいたんだよ、俺。
フツウの人間から逃げるわけじゃないんだ。
この世の者ではない、かつてこの国を治めていた女王から逃げるんだぞ。
この地を離れても、世界中を逃げ回ったとしても、絶対に無理だって分かっていたはずなのに。
それに、麻友の言うとおりだ。
逃げることを選んでしまったら、麻友はまた“裏切り者”になる。
そしてまた、罰を受けるに違いない――………
「それじゃあ、俺も一緒にヒメミコ様のもとに行く」


