麻友だけがこの地に呼ばれた意味を知って、俺の口から自然と言葉がこぼれた。 「逃げよう」 かつてその言葉を口にしたのは、カヤだった。 死を迎える俺を助けようとして、切羽詰った様子で懇願するかのように言った。 「瑠衣」 そして、あのときの俺と同じように、麻友はそれを拒んだ。 諦めにも似た表情で、麻友は首をゆっくりと横に振る。 「あたしは逃げない。だって、イヨやヒコミコでさえも逃げることもせずに、朔の日にここに来るって言ってたのよ。それ以前に……、逃げたら、あたしはまた裏切り者になる」