麻友は俺の問いかけになにも答えないけれど。
黙りこくった様子を見れば、問い詰めなくとも答えは明確だ。
なんでだよ。
ついさっき、“すべてから解放されたらキスしよう”なんて期待させるようなこと言ったくせに。
その心のうちは、俺とともに生きることじゃなくて、ヒメミコ様のもとに行くことを選んでいたなんて――……
「おまえが言うように、朔の日が“ただ解放されるだけ”なら……。俺たち、やっと一緒にいられるんだぞ?」
「………うん」
「それなのに、ヒメミコ様のもとに行くのか?」
「………」
どうして?
消え入りそうな声で訊くと、麻友はからだを俺に預けたままの状態で話し始めた。


