「――カヤ様、そろそろお休みになられたほうが……」
イヨの声で、タスクとの思い出から現実に引き戻される。
いま、わたしの目の前にあるのはタスクの笑顔じゃない。タスクが永遠の眠りについた塚があるだけだ。
タスクは最期までわたしから目を逸らさなかった。
わたしは、奴婢たちの最期を見守るふりをしながら、タスクだけを見つめていた。
やめて、と、何度、言葉を叫びそうになったことか。
タスクのもとに自然と向かおうとしている足を止めるのに精一杯だった。
「――わたしは女王の器ではないな」
タスクとのことを唯一知るイヨに、つい、弱音を吐く。
「ヒメミコ様の親族でもあるおまえが女王になるべきだったのに」
「……そんな……。わたしはただ、親族というだけです。ヒメミコ様やカヤ様に比べたら、霊力も劣るし……」
そうは言うけれど、イヨのほうが女王としての器を持っているとわたしは思う。


