――こんな国、もう、どうでもいい。
女王を殺したり、生きる権利を持つ奴婢たちの命を勝手に奪ったり。
そんなにこの国が欲しいのなら、ヒコミコ、おまえにくれてやる。
おまえはヒメミコ様に、「自分を王にしてくれ」と直訴したほどであろう?
わたしは……
タスクとともに、この国から逃げる。
でもタスク、あなたは違っていた。
“逃げよう”と言ったわたしに、あなたは互いの家族のことを持ち出し、ヒメミコ様と一緒に旅立つことを選んだ。
国から逃げ出せば、わたしとタスクの家族が罰を受ける。つまりは、殺されてしまう。
わたしにはタスクしかいなかったのに。
あなたは、自分とわたしの家族のことまで思ってくれていた。


