「……律から、一通りの話を聞いた」 本題に入った瞬間に、電話のむこうが急に静かになった。 しばらくの沈黙のあと、蜂谷は「うん」と小さな声で返事をする。 「ヒメミコ様が、朔の日に塚に来るようにって言いに来た」 『……うん』 「でもその前に、はち、」 蜂谷、と言いかけた名前を呑み込み、一呼吸置いてから話を続ける。 「カヤと話がしたい」 『……うん』 「明日、そっちに行くから」 急なことを申し出てみても、蜂谷はやっぱり、「うん」としか返事をしない。