「でも、瑠衣が遺跡なんかに興味があったとはね」 通帳を手渡しながら、母さんが少し驚いたように言った。 「知らなかった?」 「うん。そういう話、したことなかったから」 「よかったじゃん。息子の新たな一面が発見できて」 ふざけたように笑うと、母さんは「もう」と言いながら、俺の頭を軽く小突いた。 その日の夜。 夕食を食べたあと、いつもはリビングで過ごすのだけれど、この日ばかりはすぐに部屋に戻った。 電話の子機と、蜂谷の自宅の電話番号のメモを手に、時計を見つめる。