“あの子、大丈夫かしら”
子供らしいところがひとつもなくて。
遊ぶことよりも習い事に没頭し続けた子供時代。
父さんと母さんが、ヒソヒソと2人で話していたのをこっそり聞いたことがあった。
“友達と遊ぶこともしないし、子供らしいところが全然ないのよ”
“……確かに瑠衣は、大人びているところがあるな”
“この前はね、鏡の前に立って、自分の顔をじーっと見ていたのよ? ねぇ、一度、お医者様に相談したほうが……”
“うーん……。もう少し様子を見よう”
俺は、どこもおかしくなんかない。
ただ、カヤに再会したときのために、ずっと努力してきただけだ。
そんな本音を、実の両親に打ち明けられなかったことも、正直、心苦しかった。


