“わたしが生きているあいだは何事もなく、平穏な日々だったわ”
あの頃のことを律と話したとき、彼女は確かにそう言った。
民を裏切ったとか、ヒメミコ様からの罰で転生を繰り返しているとか。
そんなこと、一言も言わなかった。
君はヒメミコ様に代わってあの国を治め、一生をかけて女王としての責務を果たしたんじゃなかったのか?
『タスク』
俯いている俺に、ヒメミコ様が声をかける。
『長きに渡っての転生によく耐えた。おまえの役目ももうすぐ終わる』
「……え?」
『次の朔の日に、わたしのからだが眠る場所へ来い』
「ヒメミコ様……っ」


