「……なんだ今の……」
額を手のひらでなぞれば、嫌な汗をかいていた。
心臓がどくりどくり、と、鈍い音を立てている。
たかが夢なのに、どうしてこうも俺の心臓は動揺しているんだろう。
網戸1枚にしている窓から生暖かい風が入ってくる。
生ぬるい、気持ち悪ささえ感じる真夏の夜。
喉がカラカラに渇いて、水でも飲んでこようとベッドから足を出した瞬間、からだじゅうが凍りついた。
「――――っ?」
目の前の光景に目を疑い、何度も瞬きをする。
『――久しぶりだな、タスク』
目の前に立っているのは、巫女装束に身を包んだ初老の女性。
彼女は懐かしげに微笑みながら、俺の昔の名前を呼んだ。


