正直、自分でもビックリだ。



きっと俺は、あの手この手を使ってまで蜂谷が引っ越す日の情報を得て。

当日、絶対に会いに行くと思っていた。


ひょっとしたら、蜂谷の両親を前にして引きとめてしまうかもしれない、とも思っていた。




でも実際はどうだ。


磯辺との仲の良さを見せつけられて。

ようやく自分が、滑稽な道化師に過ぎないことに気づいた。



気づいてからは、異常なまでに、すべてがどうでもよくなってしまった。



輪廻転生のことも。

カヤのことも。

……蜂谷のことも。




強いて言えば、“また来世で”なんて次に託すことさえも、バカバカしくなってきたんだ。