途端に蜂谷の顔がぱあっと明るくなり、軽い足取りでドアのほうへと駆け寄る。 ドアを開けて、磯辺の姿が完全に現れた瞬間。 「磯辺くん! 会いたかった」 俺のことなど気にもせず、蜂谷は磯辺に思い切り抱きついた。 磯辺は動揺すらせず、慣れた手つきで蜂谷の髪を撫でる。 「昨日泊まっただろ、俺」 ……泊まった? 心臓が、止まりかけた。 ふと磯辺の手元を見ると、あきらかに“今日も泊まります”といった感じで、大きなスポーツバッグが握られている。