このまま蜂谷と別れたくない。
そんな思いから必死になって訊くけれど。
「教えない。あんた、絶対に追っかけてくるから」
俺の企みはバレていたわけで。
何度訊いても、蜂谷は決して口を割らなかった。
「あんたとこうやって一緒にいるのは今日が最後だから、特別に喋ってあげるよ。ただし、転校の話以外ね」
上から目線で、蜂谷は楽しそうに笑う。
今日が最後、だなんて。
突然言われてもピンとこない。
諦めの悪い俺に対する仕返しで嘘をついているのか? とさえ思ってしまうけれど。
蜂谷の部屋の一角にある、積み上げられたダンボール箱が嘘ではないことを教えてくれた。


