「じゃあ靴箱のところまで一緒に行こうよー」 まるで、女子にありがちな「トイレに一緒に行こうよ」みたいなノリで誘われる。 「……靴箱のところまで、だったらいいよ」 それ以上はごめんだと言わんばかりに、俺は念を押してそう答えた。 靴箱までの短い距離。 彼女は限られた時間を1秒でも無駄にしないよう機関銃のごとく喋り続けた。 お菓子作りが得意だとか。 今度マフィンを作ってきてあげるとか。 俺が適当に、うんうんと相槌をうつたびに、彼女はひどく喜んだ。