蜂谷と倉田、2人が楽しそうにしゃべっている姿に、俺はとても癒されていた。

どっちかって言うと蜂谷がお姉さんタイプで、倉田は妹タイプ。

危なっかしい倉田を、蜂谷がいつも見守っていたように思える。

そんな関係の2人は、1年のときからいつも一緒だった。




倉田との親友関係が壊れたと同時に、蜂谷への嫌がらせはピタリと収まった。


俺を取り巻く女子たちも便乗しているかも、なんて倉田は言っていたけれど。

正直なところ、それが事実なのかはいまだに分からないし、確かめることもできない。




「……蜂谷と倉田、喧嘩したのか?」




口を利かなくなった蜂谷と倉田。

慶太がそれに気づいたのは冬休みに入る10日前のこと。




「さぁな」




すべてを知っているけれど、俺は敢えて言わなかった。