「いいかげんなこと言わないで。美樹がそんなことするはずない」
俺の胸元を殴りつけながら蜂谷は言う。
信じたくない気持ちはよく分かる。
いつも一緒にいて、蜂谷が嫌がらせを受けていたことに対してもひどく心配してくれたのだから。
――だけど、これが現実だ。
たった今、目の前で、倉田が蜂谷の教科書やノートを破り捨てる瞬間を見てしまったのだから。
“俺が犯人見つけて、ボコボコにしてやる”
あんなことを言ったけれど、蜂谷の親友でもある倉田にそんなことできるはずもない。
「……倉田。誰にも言わないから、正直に言えよ」
冷静な口調で言うと、倉田はフッと諦めにも似た笑いをこぼした。


